保健室の眠り姫

貴方との出会い



「やっと終わったー!」

「あたしのお陰な」


急激に仲良くなった私達。
無事に始業式を終えて、保健室へと戻る途中。


「住谷さん、本当にありがとう。私、住谷さんが居なかったら教室に入る事も無かったと思う(笑)」

「美麗でいいよ。…ん?」


教室に入れた感動を住谷さん…美麗に伝えていた最中。

廊下の隅に男女の姿。
なにやら女の子は泣いている模様。


「…取り込み中、かな…」


あっちから行こう、そう言う私を無視して


「…関係ねぇ、遠回りは避ける」

「へ!?ちょっと待っ…」


ズカズカと廊下を歩き進める美麗。
二人へと段々近づいて行く。

私だったらあんな所見られるのいやだよ!?汗

そして2人まで、10メートル、5メートル…1メートル、よし、通り過ぎ…


「?…え、美麗…!?」


通り過ぎたのは私だけで、振り返ると二人の横に張り付く美麗。

意味がわからない私。
そんでもって、


「泣かせでごめんね、こいつ借りてくから」


男の子の首根っこを掴むとそう言い放つ。
…もっと意味がわかりません。


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