無意確認生命体

「お~! いいねぇ~! やーっぱ映える! 絵になるわ~。じゃ、これも一枚撮っておこっか! ほれほれ! いい顔して! いいかおっ!」

一枚と言いつつパシャパシャ何度もデジカメのシャッターを下ろす美智。

かれこれ何種類目だ?

髪型を変えるたびに服まで着替えさせられるので、こっちはもうクタクタだ。


それに比べ、美智の集中力の持続時間は半端じゃない。

始めてからぶっ続けで3時間、未だにピンピンしている。


……さすがは運動部。


「いっや~! この連休、最初で最後にして最高の思い出が出来たねー! この写真、見てみなよ! 目ぇ潤んでるよ! チワワかてめぇは!」


ううう……、うるさい。涙も出るってーの。


「コレ学校の男共に見せたら、どんな顔するかねぇ~♪ けっけっけ! こいつぁーひと儲けできそうだぜ」

「それ、ホントにやったら、マジで怒る……。明日の朝日は……見られなくなるからね」

「げ! 冗談に決まってんでしょ!? 誰がこんな可愛い写真を手放すもんかい! ……てゆうかしぶちん、そのうなだれた抑揚ない言い方でそーゆーコト言われると、マジ怖いんだけど」


誰のせいだ!!


「……さて、じゃあしぶちんもお疲れのようだしそろそろ――」


や……、やっと、終わる……。


「――最後、とっておきのコ・レ! イこうか♪」


……あ、あはは。

……んなことだろうと思ってましたよ。

……ううう。
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