無意確認生命体
「おい、だからこっちの番だっつったろ? ……ま、いいや。それ答えたら今度こそこっちな。あれは別に意味はないよ。ただ、キミが自分で進言するのは、しんどいかと思ってやっただけ。だって、昨日のキミ、恐がり方尋常じゃなかったしさ。肩に手置いただけでガラスでブッシューだもんな。酷いことされたのかなーって思ったら、ついぺらぺらと想像と武勇伝を交えて進言してた。……ん。あ! あぁー! ごめん。無難に知らないおっさんが襲ったことにしちゃったけど、違ったんだよな。それで怒ってんの? いや、違うか。えーっと。オレを犯人の仲間だと思ったから刺したってコトだろ? さっきの……カワギシ、だっけ? あぁ、それで怒ってたんか。そっかー。そうだよな。同級生に襲われたらビビるよな。あー……。そらしょうがないか」

ぺらぺらと彼が話すのをただ見上げて、私は放心していた。

そして、この数分間に何度も思った単語が、また頭の中をよぎった。



……何言ってんだろう、こいつ。

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