海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
それから、自分を磨きたいとも思った。


“もし次に会う事があったら、その時は先生がビックリする位綺麗になってるんだからね!”


それは、私が最後に相葉先生と電話で話した時に言った言葉。


相葉先生に再会できる“その日”なんて、一生訪れないかもしれないけれど、


もしも本当に“その日”が来たら、その時は本当に『成長した』と思ってもらえるような女性になりたい。


一生“その日”が訪れなかったとしても構わない。


『見た目も中身も素敵な人』


異性だけではなく、同性からもそう思われるような人になりたいと心から思う。


この努力は決して無駄ではなく、いつかきっと自分の為になるって信じてる。


だから―…


いつ相葉先生と再会しても恥じる事ない、その奇跡に見合う自分になりたいと思った。




私が選んだ“自分磨き”の中で、一番のお気に入りは英会話だった。


元々、英文科の大学に進学したいって思った位英語が好きだったし、


単純だけど、


『喋れたらカッコイイだろうな。』


そんな風に思っていたから、語学留学も希望していた。



英会話を通じて男女共に沢山の友達が出来た。


恋愛をしていなくても、こうして出会えた人と時には食事をしながら交流を深めていく事は、とっても楽しくて刺激的だった。



なりたい自分になろうとする努力も、


交流の輪を広げていくことも、


それを楽しむ気持ちを持つことも、


私には必要だったのかもしれない。




“自分磨き”をしながら過ごして…





私は21歳になった。



寒さが残る、春が待ち遠しい季節に、


新たな出会いが訪れようとしていた。
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