海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
「先生、今、幸せ…?」


抱き締められたまま、顔を見上げて問い掛けた私に、


「すごく幸せだよ。」


相葉先生は優しい笑顔を浮かべて、そう答えてくれた。


その返事から、迷いや過去への後ろめたさは消えて、これから始まる私達の未来を思い描いてくれているような気がした。


「河原は…?」


今度は相葉先生から問い掛けられて、私はほんの少しだけ、真っ直ぐに先生を見つめた。




私は…


私は今…




「とっても幸せです。」


私は涙でクシャクシャになったまま、満開の笑顔で答えた。


悲しかった事も、苦しかった事も。


その全てが癒されていくのを感じていたから。



相葉先生がいるだけで本当に幸せなんだって、


そう、思ってたんだ―…



「今日は一緒に帰ろうか。」


相葉先生は私の手を握り、優しく揺れる瞳で私を見つめていた。


「うん…。」


私は口元に笑みを浮かべて小さく頷くと、しっかりと繋がれた、温かな先生の手を見つめた。


そして、心の中でそっと呟いた。



『掴んだこの手を絶対に離さないで…。

飽きる位、その胸に抱き寄せて下さい。


ずっと傍で優しい笑顔を見せて下さい。


そして、私を愛して下さい。


今までの時間を取り戻せる位、


愛して下さい―…


私も大切にします。

ずっと、ずっと…

誰よりも愛しいあなたの事を。


この想いをあなたの傍で守っていくから、

だから、離さないで下さい―… 』



そう、相葉先生との永遠を願っていた。



沢山傷ついて、沢山回り道をしたけれど


今、ようやく私達は


二人がいる世界で歩き始めたから。



思い描いていた先生との時間は


きっと、いつまでも続いていくって


そう、信じてる。



そしてお互いを想うこの気持ちも、


永遠に続いていく―…



暖かな陽だまりのような相葉先生、

あなたと、永遠に。



いつまでも終わる事のない、


この世界で―…


―終―
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