Only Three Months
SPEECH
貴族たちが空けてくれた道を通る。
その目は冷ややかで、すごく見下されている気がした。

でも、オレたちを近くへ呼んでくれた王妃は、やっぱりオレたちの味方だ。
それだけでも不安感が薄れる。


エドと動作をそろえる。
王座の前で膝をついて、頭を下げる。
アルバートの貴族たちが教えてくれたことだ。


「庶民でも心得ているのね」
「そこまで頭が悪いわけではないのね」


くすくすと笑う声も聞こえてくるけど、できるだけ気にしない。
アルバートの貴族たちと比べて、品がない。

“リリー”って姓を聞いて、気付いてくれる人が少しはいるんじゃないかって思ってた。
歴史をちゃんと知ってるのはアルバート国民だけなんだ。


「ふたりとも、顔を上げて」


アリーの声で、立ち上がる。
さすがに、ポケットに手は入れない。
こんな大舞台で、そんなことができる勇気はない。
オレが、アリーを助けるんだ。


「報告を始めてください」


アリーが、促した。
オレのことをずっと見ていてくれる。

アリーを救うために、ここに来た。
ヴィクトリア王国を壊しにきたんだ。


「…初めに、みなさまは、アリシア姫が貴族学校で庶民学を受講されているのをご存じでしょうか。
 庶民学校では、その知識をさらに深めていらっしゃいました」


アルバート城で話したときみたいに、オレが感じてたアリーの姿を話す。
いちいち、ヴィクトリアの貴族たちがざわつく。


「庶民学?」
「姫様がそのような科目を取っていらっしゃるの?」


国王からはにらみつけられてるようにしか思えなかったから、向かなかった。
アリーは、オレの言うことを否定しない。
だから国王がいくらオレをにらんでも、何も言えない。
アリーも王妃も、オレの味方だ。


「みなさん、お静かに。
 マイケル、続けて」
「はい」
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