Only Three Months
「それで、噂が広まって、それを信じて離れてく人がほとんどだった。
 昨日は仲良く話してた人が、今日は全然話してくれないとか、よくあることだった。
 エドから聞いた話だと、噂を聞いた親から、オレと関わるなって言われた人もいたらしい」
「酷い。マイク本人のこと、誰も見てなかったのね」
「エド以外はな」
「あ、そうね」


オレとちゃんと向き合ってくれたのは、エドだけ。
今も昔も、それは変わらない。


「エドとは保育園からエスカレーター式に今の高校までずっと一緒。
 保育園のころには、そういう噂がなかったのかもしれないけど。
 エスカレーター式でも入学試験はあって、そこで残ったのがオレたちだけだった。
 いつからふたりでいるようになったかとか、全然覚えてない」
「友達って、そういうものだと思うわ。
 私には、そういう人はいないけど」


寂しそうに言うアリー。
王族の中でも、王位継承者。


「アリー」
「みんな、私と仲良くなりたい理由ははっきりしてる。
 将来、権力を持ちたいから。
 ご両親から指示を受けてるのかもしれない。
 そんな中でも、友達は作れているけど、マイクとエドみたいな関係ではないわ」


…そうだろうな。
妙に納得できてしまう。


「ごめんなさい、割り込んでしまって」
「いや」
「続き、話して」


エドといつも一緒な理由みたいなことを話したところ。
学校生活について、触れておかないと。


「普段、学校ではエドと一緒にいるけど、何かの拍子で殴られたりとかした」
「え」
「最近は殴られるなんてこと、ほとんどないけど、昔はあったんだ。
 噂の延長で。
 ありもしない噂で、逆上した男が襲ってきた」
「どんな噂?」
「単純だよ。
 クラスで可愛い女と遊んだとかって言われるんだ。
 事実じゃないのにその女も否定しないし」


理不尽な世の中。
なんでオレがこんな状況に立たされないといけなかったんだか。
教師も大して助けてはくれなかったし。
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