Only Three Months
「両親が亡くなって、叔母と暮らすようになったらしい。
 叔母は貴族階級らしいけど、オレの両親の階級は分からない。
 それで、オレは庶民として育った」
「叔母様が貴族で、そこまで遠い親戚じゃないのに、マイクは庶民?」
「そのあたりはよくわからない」


アリーが首をかしげてる。
親がいないから庶民って制度はないのかもしれない。
オレにとっては従う大人が叔母しかいなかったから、叔母の言う通りにしてただけ。


「この叔母が家事を全くしない人だったんだ。
 さすがに学校行き始めてからだとは思うけど、家事をオレがやるようになった。
 いつの間にか料理もできるようになって。
 学校の授業に救われたところもある」
「料理実習?」
「そう」


本当に、叔母についての記憶で、叔母が家事をしてる姿はない。
いつもオレのことを腕組みして監督してた。
できてないことを突いてくるだけ。


「オレが学校へ行ってる間、叔母はオレの噂を流した。
 しかも、ないことばっかり。
 学校のみんながオレに好戦的なのはその影響が今でも残ってるから」
「どんな噂だったの」


たくさんありすぎて、いちいち覚えてない。
でも、いくつか例をあげるなら、何がいいだろう。


「せっかく預かってあげて育ててあげてるのに、喚き散らして手のかかる迷惑な子ども。
 何度同じことを言っても言うことを聞かない。
 自分の好きなことしかしようとしない」
「そんなの、子どものマイクに分からせようとしても…」
「そうだよな、オレも今思えば理不尽すぎるとは思う。
 子どもってみんなそういうものだと思うから。
 でも、庶民の中で貴族の叔母がそういうことを言ったから。
 常識を否定されて裏付けもなく広まったんだ」


アリーが、重ねた手をなでてくれる。
自分のことを話すって、キツい。
思い出したくないことを思い出さないといけないから、当然だけど。

一息ついてから、続ける。
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