Only Three Months
「…ありがとう」
「ううん、聞かせてくれてありがとう」


アリーが後ろに倒れて、オレを引っ張る。
目をつぶってるアリーの唇に触れてから、顔を埋める。


「マイク」
「見ないで」


過去を話して自覚してなかったことを言われて。
それだけでも恥ずかしいのに。
普通にキスしてしまう自分にも驚いて。

さっきは真っ赤だったアリーも、今は大丈夫なんだろう。
頬がさっきほど熱くない。

腕に力を入れてくるアリーに対抗するように、力を入れる。
ずっと、一緒にいられたらいいのに。
オレが、アリーを守れたらどれだけ幸せか。

一国の王位継承者で、軍隊で捜されてるアリーを、いつまでも匿えるはずがない。
それに、アリーが城に連れ戻されれば、オレは第一級犯罪者。
城の中でアリーがされることを想像もしたくない。


「マイク?」
「ん?」
「ずっと、こうしていたい」
「…オレも」


認めるのは恥ずかしくて。
アリーの顔はとてもじゃないけど見れなかった。


「マイク、すごく熱いよ」
「言うな」
「ふふっ」


恥ずかしさで死にそうだからな。
体温も上がるだろうよ。
心臓の音もうるさい。

アリーに遊ばれてる。
でも、不思議と嫌じゃない。

本当に、こうやって仲良く幸せな時間が、いつまでも続けばいいのに。
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