Only Three Months
BULLYING
同じような日が流れて、アリスは学校にも慣れたころ。
もし誰かに絡まれても、エドが助けてオレのところへ帰ってくる。

オレが直接助けられないのは、変に事を大きくしないため。
噂にされないため。

いつものように、3人で帰ろうとしてた。


「あ、マイク!」


クラスメイトに呼び止められることなんて、ほとんどない。
この時点で、怪しい。


「担任が呼んでた」
「こんな時間に?」
「うん」


嫌な予感。
たぶん、担任には呼ばれてない。
でも、ここで行かないと余計なことが起きる気がしないでもない。


「待ってるから、行ってきて」


エドに催促される。
エドも、分かってる。
こんな時間に、オレが、担任に呼ばれることなんかないんだ。


「ごめん、待ってて」


アリスとエドを教室に残して、クラスメイトについて行く。
…職員室とは逆の方向へ。


「職員室だろ?」
「違うから呼びに来たんだ」


ますます、嫌な予感がする。
着いた場所は、普段の授業で使うことのない校舎。

先導してたヤツが退いて、入るように顎で示される。
担任なんて、絶対いない。


「…来たな」
「早く入れよ」


背中を押されつつ、教室内へ入る。
オレをここへ連れてきたヤツが、教室の鍵を閉める。
…密室か。

ざっと見る限り、相手は4人。
廊下側の窓の前には、机が積み上げられてて、逃げるには邪魔だ。
今から何をされるかなんて、考えなくても分かる。
ここ最近はされてなかったこと。


「…なんでお前みたいな人間が、あんな可愛い子と住んでんだよ」
「立場分かってる?」
「分かってるわけねぇだろ?
 分かってたらとっくに離れてるって」


…アリーのことも、オレのことも、何も知らないくせに。


「ひとつ屋根の下だもんな、もう遊んだんだろ?」
「初めての相手はどうだったんだよ?」


言い返したくなるのを堪える。
何を言っても、言わなくても、オレにとっては不利だ。
オレがここで何かすれば、アリーに影響する。
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