壁ドンカフェの話
こういうはなし
  僕の住むアパートの部屋には男の子の幽霊がいる。この時点で事故物件だけど、住めるから別に良いんだ。
 その男の子の幽霊は、青白い顔と充血通り越して真っ赤な目をしていることが特徴で、夜になるとぐわぁと言いながら血を吐いたり両手が手首からぽとりと取れて僕を驚かせるけれど、床の掃除は自分でしているようだし、怖いものに少し耐性があるからなんともない。
 そのときに僕はこの幽霊の男の子をぐわぁさんと呼ぶことにした。本人は名乗ってくれたけれど、こっちの呼び方の方を気に入ったようだった。
 そんなぐわぁさんと僕だけど、この前冷蔵庫に入れていたプリンを勝手に食べたのはギルティだったので怒ったら、やけにしょんぼりさせてしまった。
「ごめんねお兄さん……」
「……今度はぐわぁさんの分も買ってくるよ。それで仲直りしよう、良いね?」
 そのとき一瞬だけぐわぁさんが生きていたときの姿に戻ったことに驚いた。
「うん」
「そっちの方が話しかけやすいなぁ」
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