【短編】甘酸っぱいコイゴト

えっ………

背中にまわる優弥の手に力が加わり


私と優弥の距離がより

縮まった……―



『ゆ、ゆう――』


私が慌てて声を出すと



「ホントにバカ……」

ため息混じりの優弥の声



『なにがよ……っ、』

睨みつけるように優弥を見る。


「俺、乃嘉みたいに素直な性格してないから……」


「えっ…?」



「だからっ……

俺にとって好きな奴に“好き”とか“可愛い”とか言うのは、スッゴい大変なことなんだよ…っ!!」



へっ………


「そう簡単に…言えるかよ……。」


優弥はフッと私から顔を逸らした。



……クスっ



「なっ、何笑って…!!」

『ゴメン、ゴメンっ!』

私は軽く謝るものの笑いが止まらない



嬉しいかった…

優弥の言葉に嘘がない気がして


顔を真っ赤にする優弥

耳まで赤くなってる


こんな姿

初めて見たよ…


優弥はそんな姿カッコ悪いって言うかもしれないけど

私にとっては

そんな姿を見れて

嬉しいんだよ…?


重なる体から心臓の音が響く

優弥も私と同じ

早く打つ胸の音


『優弥、大好きだよっ!』


だから私はまた

アナタに笑顔を向けられる


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