難攻不落な彼に口説かれたら
「慣れって怖い……」

ハーッと溜め息をついていると、背後からポンと肩を叩かれた。

「わあっ!」

ビックリして声を上げると、クスクスと仁の笑い声がした。

「何そんなに驚いてんの?」

仁は席に着くと、私の顔を覗き込む。

「だって背後から肩叩かれるからビックリしちゃって……」

慌てて言い訳すると、仁は私の顔にスッと手を伸ばした。

「その目の下の隈はどうしたの?昨日寝れなかった?」

鋭い仁の指摘にギクッとする。

彼が夜いなくて寂しかったなんて恥ずかしくて言えない。

「溜まってた家事してたら寝るの遅くなっちゃって。そっちは、昨日の接待どうだったの?」

笑顔を作って誤魔化すと、昨日の接待のことを仁に尋ねた。
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