難攻不落な彼に口説かれたら
「……いや、何でもない」

片岡君は頭を振ると、パソコン画面に目を向けメールを処理していく。

何も言われなかったことにホッとして、パソコンの電源を落とすと、もう一枚の地図を自分のバッグに入れた。

「雪乃先輩、今日の歓迎会の店ってお寿司なんですね」

小野寺君も私がメールした歓迎会の店の地図を印刷すると、それを手に取りながら嬉しそうに笑った。

「そう。古賀さんが上限は気にするなって言ってくれたの」

小野寺君の言葉に笑顔で頷く。

「お~、さすが、古賀さん太っ腹!」

小野寺君は、パチパチと手を叩いて秀兄を褒める。

「小野寺君も時間厳守ね」

笑いながら小野寺君にそう言うと、彼は「了解です!」と真面目な顔で敬礼する。

そんな小野寺君の顔を見て噴き出すと、彼は拗ねた。
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