大人の心になってあなたに会いに行く

夜の顔

静かな廊下に少しだけ差し込む光は私の泣いている声をも照らすのだろうか。

もう、どこを歩いているのか全く分からなかった。
疲れてしまい一旦座り込んだ。
だけど、そんなトキ彼は現れた。

私を見つけて驚いた顔で。

「なんで……いるの?」

そう言い放った。そらそうだろう。
私に気づいてほしくなかった秘密を知られてしまったんだから。
でも……私は、……

「……好…きです。」

そう私がいった言葉。
彼は、今まで以上に見せたことのないような顔で私を見ていた。

「………。」
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