例えば君に恋しても


昔から変わらない景色の遊歩道、幼い頃以来、久しぶりに歩いてる。


少し遠目にきらきら光る小川。

反対方向には学校のグランドで小学生たちが体育の授業を受けてる様子が見える。


なんて長閑で

なんて幸福な世界だろう。

仕事をしているときには知ることのできなかった穏やかな時間の流れを体感している。


暫く歩くと、ふと思い付いてバスに乗り、カフェの入ってる大型の本屋へと向かった。


久しぶりにファッション誌以外の本でも見ようかと本屋さんで、ランキングコーナーにある小説を品定め。


何をするにもいちいち幸せで、小説1冊とブライダル誌を1冊購入すると、カフェでランチがてらブライダル情報誌をめくる。



挙式自体は半年後と決めているけれど、なかなか式場がまだ決まらないでいる。

私の招待客はたかが知れてるけれど、瑛士さん方の方は半端ないことを知らされている。

仕事関係の人も呼ぶとかで、見栄ではないけれど、式場はこだわりたいと瑛士さんが言うんだから私は頷くだけ。

だって、こだわることで私にデメリットは一つもないんだから。


お色直しは何回だろう。

ドレス姿の美織もきっと可愛いだろうななんて、ちょっとプレッシャーになるようなことを彼が言うから、甘いものが大好きでも、ドレス着こなすために、今は少しだけダイエット。



< 3 / 177 >

この作品をシェア

pagetop