My.doctor…?
「どういうつもりだ。やめろ」



顔を背け目を閉じたまま
少し怒り気味に注意した。

だがコイツに通じるはずもなく。



「私の裸を見るなんて、もう慣れたでしょ?何度も見ていたんだから」


「そういう問題じゃない。お前は女なんだぞ。簡単に男に肌を見せるな」


「襲われるから?」



何をはっきりと…。



「それもあるが…」


「翔灯にだったらッ!私は嬉しいよ…」



そういう問題じゃないんだが。

それに
傷付くのはお前なんだぞ。



「とにかく着ろ。俺は部屋に戻るから」


「待って!!!」



はぁ…。
思わず溜め息が漏れる。



「なんだ?」



俺は
心底呆れていた。

もうやめてほしいとさえ
思ってしまうぐらい。



「…服は着るから。背中のファスナーだけ、閉めて?」



はぁ…。



「…わかった」



すでにワンピースを肩まで着終わっていた柚花は、後ろを向き、長い後ろ髪を束ねている。



俺は彼女の後ろに立ち
ファスナーに手を伸ばす。

だがその前に…



「これだけ見て…翔灯」



柚花はせっかく着たワンピースを背中が見える様に少し脱いだ。


イヤでも見えてしまった…肌。



「え…」



そして…

見てはいけなかった
無数の"傷"




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