My.doctor…?
「会ったも何も、いきなり俺のマンションに来たんだ」


『あらそうなの!?よっぽど会いたかったのね』




そのおかげで
色々と困っているんだが…。




「なぁ椿。柚花に何があったのか聞いてないか…?」




もしかしたら…と
俺は姉に、ダメ元で尋ねてみた。




『何も聞いてないわよ?何かあったの…?』




やはり聞いてないか…。




「…いや。なんでもない」




椿に傷の事は話せない。
職業柄、たとえ自分の家族であっても、個人情報を他言するのは気が引けた。




『まさかアンタ…柚花さんの為に何かしようなんて考えてる?』




色々と感づきやがって…。

まさか本当に
"女の感"とやらか?




『いくら元恋人だからって、翔灯が助ける事はないのよ?』




おいおい
お前が"話くらい聞いてやれ"とか言い出したんだろ。




「このまま見放せってか?」


『忘れたの?そもそも彼女は、アンタを捨てたのよ!?』



そんな事は
わかっている。

だが
いくらなんでも見放すなんて。


あんな傷を見たのに…。




「だからって、このままにはしておけない」




もし事件に巻き込まれているなら見逃せないだろ。




『…咲桜ちゃんは、いいの?』




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