【完】螺旋のように想いを告げて


 祐介が惚れるのも今ならわかる。咲良は誰が見ても女なんだ。




「亮ちゃん?」

「なんだよ」




 気づけば咲良は顔をしかめ、唇を突き出している。
 変顔としか思えない。



 一定の距離を置いて、細めた目は俺を凝視したまま。




「キモイ」

「は?」

「亮ちゃんが感謝するとか、キモイ。やめて」




 何か、俺は間違っていた気がする。
 咲良はやっぱり咲良だ。しかし、酷い言われようだ。




「キモイとはなんだ」

「亮ちゃん、いつも不良みたいだもん」

「なんだよ、それ」

「亮ちゃんが素直な時って、だいたい何か隠して……ん? 亮ちゃん! なにしたの!!」

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