【完】螺旋のように想いを告げて


 冷たい。確かにな。



 胸が痛い。心が苦しい。



 海の底に沈んでいくみたいに、俺は空気を求めてもがいている。でも、俺は陸にあがることを許されない。



 咲良のために。
 けれど、そんな俺の行動が傷つけてしまっていることも事実だ。




「ごめん」

「謝らないでよ。亮ちゃんのこと、助けたいだけなんだよ。何が亮ちゃんを変えたの?」




 言えるわけないだろ。
 言ったら、何もかも終わるんだ。
 そう、終わる――――。



 俺は今、何を願っている?
 俺はどうしたんだ。




『咲良を守りたい』




 そう、ずっと願っていたはず。
 ずっと……。

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