【完】螺旋のように想いを告げて
「祐介、わからないか? 咲良がいきなり来た理由。そっちでなにかあったんじゃないかって思ってさ」
電話の向こうで唸るような声が聞こえる。やっぱり何かあったんだろうか。
『オレ、この間告白したんだ。咲良ちゃんに』
「うお、本当か!?」
『ま。振られたけどさ』
話に夢中になっていて、店員に睨まれていることに気づかなかった。でかい声を出しすぎた。
俺はコーヒーを持って外に出る。そして、改めて祐介に聞く。
「咲良がこっちに来たのと関係あるのか?」
『……多分、だけど』
「あるのか?」
『あー。まあ、うん……』
祐介が口ごもる。余程、言いにくいことみたいだ。