【完】螺旋のように想いを告げて
『言っていいのかな。でも、言わないと亮はわかってくれなそうだし』
「俺?」
『今から話すことは、電話切ったらなかったことにしてくれ』
「なんだよ」
祐介が深呼吸している。
俺は歩みを止めて、声に集中していた。
『咲良ちゃんが好きなのは亮。お前だよ』
祐介は何を言っているんだ。
俺がどれだけ離れようとしているのか、そんな努力も知らないで好きに言ってくれる。
『咲良ちゃんが見ているのは、お前だよ。亮』
「……まさか」
俺は何も言えなくて、黙ってコーヒーを見つめていた。
いつの間にか氷は溶けてしまい、このカップみたいに俺も汗だくだ。暑いからじゃない。
俺は焦っている。
こんなに上手くいかないなんて、もうどうしたらいいかわからない。