【完】螺旋のように想いを告げて


 俺の知らないところで、ずっと想っていてくれたのか。



 そう思うと嬉しかった。
 勝手かもしれないけど、そうだったら嬉しい。



 俺は咲良への想いを抱えたまま、螺旋のようにぐるぐる回っているだけだった。
 そうするしかないと思っていたから。



 咲良は俺の想いを捕まえようとして、すれ違ってばかりだったんだろう。
 俺は届きそうだった咲良の手を振り払ってしまった。



 拷問だ。生き地獄だ。



 あんな契約しなきゃよかったなんて思うこともあった。
 でも、今は違う。叶えなきゃならない願いだった。



 俺はやっと気づけた。




「約束」




 咲良を死なせはしない。
 幸せになってやる。
 未来を掴み取ってやる。



 あんたへの挑戦だ、姫巫女。

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