【完】螺旋のように想いを告げて


「友達がどういうものかなんて、わからない。でも、咲良だけは大事にしたいと思ってるし、失いたくない。咲良がいなかったら、あたしは今でも一人だったと思うから」




 思い出してみれば、理乃ちゃんはいつも咲良と話していた。
 他の誰かと一緒にいる姿は見かけなかったし、彼氏だって他校の誰かか大人という話をチラッと聞いていた。




「咲良だけは、悲しませたくないんだ」




 ああ、そうか。
 だからあの日、咲良の通夜の日に理乃ちゃんは俺に食ってかかってきたわけだ。



 大切な友達だったのだから。
 自分を許してくれたたった1人の存在を失って、苦しかったんだろう。俺を責めたのだって、本当は自分を責めていたんだ。



 でも、彼女は強い。
 俺なんかより、もっともっと大きな存在。悔しいくらいに大人だ。




「話ってのはそれだけ。あんたがわかってるなら、早く咲良を助けてやってよ」

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