【完】螺旋のように想いを告げて
episode 1
朝飯はどこだ
***
ひどい小学生だったとは思っている。反面、仕方がないとも思っている。
だって、そうだろう。人間としては未熟なガキだったんだから。
『お前、パンツ赤!? ウチのばあちゃんと一緒だぜ! やーい、ババア!』
スカートめくりをして、笑って、暴言を吐き、女の子を泣かせていたのはずいぶん前のこと。
今となっては何が楽しかったのかわからない。
幼い日の記憶だ。
理由もなくイタズラばかりしていた。
『亮ちゃん! コラ! 雨宮亮!!』
だけど、俺の目的は手当り次第のスカートめくりではない。
何をしても泣かない女が1人いた。
あいつを泣かせたくて、イタズラがエスカレートしただけ。怒りに来るあいつを待っていたんだ。
一ノ瀬咲良。