【完】螺旋のように想いを告げて


 母親同士が親友でよく遊ぶ仲。
 お互いの家を行き来するのが普通。



 いわゆる幼なじみ。
 だが母親同士が相性よくても、子供同士がそうとは限らない。




『あんた、また1組の子泣かせたの!?』

『うるさいなー。あいつが泣き虫なんだろ』




 咲良が平手で頭を殴る。
 言い合いからの平手はいつものことで、恒例行事のようなものだ。




『謝りなさいよ!』




 こうやって怒る咲良はなんとなく可愛いと思う。
 泣き顔よりも、咲良の怒る姿を求めていたのだと知ったのはこの時。




『聞いてるの!?』




 俺を睨みつけた咲良は腰に手をあてた。その仕草は母親そっくり。



 うるさいと思いながらも、じっと俺を見つめる咲良に見惚れてしまう。



 その感情が何かわからない俺は混乱の末に手を出すしかなかった。




『スキあり!』

『ああっ!』




 咲良のパンツは真っ白なレース付のピンク。
 小学生だぞ。普通の白いパンツでいいだろう。



 いや、まあ……可愛いからどっちでもいいか。

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