【完】螺旋のように想いを告げて


「咲良」




 そんな悩みはもう終わりだ。やめてやる。
 咲良には悪いけど、俺はもう耐えられない。




「話したいことがある」




 生クリームを頬に付けた咲良が、俺の目をじっと見る。




「なに?」

「すごく大事な話」




 咲良が何か言いかけた時だ。
 祐介が勢いよく立ち上がる。電話が終わって、何やら慌てている。




「どうしよう、咲良ちゃん!」

「なに? 急に」

「理乃、怒らせた」




 食べたアイスクリームを吐き出しながら俺は立ち上がった。勢いよく飛び出したアイスクリームが祐介の前に落ちる。




「亮ちゃん、汚っ」




 咲良が手近にあったペーパーを取り出してくれる。




「いやいやいや、何だか気になることきこえたんだけど!」

「待て。オレの問題が先だって。理乃が――――」

「それだよ!」

「2人とも落ち着いて!!」




 咲良の制止の声さえ届かないほど、俺は混乱していた。

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