【完】螺旋のように想いを告げて
epilogue
***
『亮ちゃん!』
目覚めると懐かしい声がして驚く。
数秒かけて夢であると気づいた。
いつもこうやって話しかけてきた。
その呼び方はやめろと言っているのに、ちっとも聞かなくて。
けど、俺との出会いは咲良にとって大切な思い出の1つだったんだ。
だから、ずっと"亮ちゃん"と呼び続けていた気がする。あそこから、幼なじみは始まった。
本当に懐かしい。
呼んでくれる声はいつも優しくて、可愛くて、俺には自慢だった。
俺だけ特別扱いしてくれているような、優越感があったんだ。