【完】螺旋のように想いを告げて
「どうしたの、亮?」
幼なじみだった俺たちは終わったんだ。
これからは恋人としての俺たちだって思えば、そう悪いことじゃない。
確か姫巫女は天使と言いたくなるとか言っていた。
あながち嘘でもない。当たっていることが腹立たしい。
周りのみんなは、咲良の呼び方が変わったのは付き合い始めたからだと勘違いしているみたいだ。
説明出来ないし、ちょうどよかったけれど。
「そうだ。今日の夜」
「わかってる。仕事早く終わらせる努力するから。亮も遅れないでね」
「ああ」
高校は夏休み3日前。
俺は決意をしたんだ。安い給料だけど、買った指輪を渡したいと思った。
もう後悔はしたくないから。
約束通り、咲良と結婚したい。