【完】螺旋のように想いを告げて



 ・・・



 目を開けた先に見慣れた天井。
 机の上にあるやりかけの宿題。
 隙間から入ってくる憎い太陽の光。
 時を刻む時計が真横で俺を急かす。



 そんないつもの光景のお陰で夢だったことを教えてくれる。



 スカートめくりをして咲良を怒らせていたのは9年前。




「マジかよ」




 小学生の頃を夢に見るなんて珍しい。
 ここ最近は夜更かしばかりで爆睡することが多く、夢なんて覚えていなかった。



 久しぶりに見たのが消したい記憶ナンバーワンの夢。




「最悪だ」




 妙な夢のせいで心臓がありえないほど激しく動く。



 落ち着こうとして俺は布団の中に潜り込む。
 しかし暑い。顔だけ出して深呼吸する。

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