【完】螺旋のように想いを告げて
君の忘れ物
***
『亮は、どうなの?』
『好きだよ、咲良のこと』
祐介との会話を思い出す。
そうだ。
俺は咲良のことが好きだ。どうしようもなく好きで。だけど、幼なじみだからこの気持ちにずっと嘘をついていた。
死ぬなんて、そんな結末を受け入れるなんて無理だ。
祐介だって同じだ。
それでも、こんな未来が用意されているなら告白したかった。咲良に気持ちを伝えたかった。
今更、だよな。
無理だとわかっていても苦しい。
壊れてしまう。
何度もチャンスがあったはずなのに俺は……バカだ。