【完】螺旋のように想いを告げて
午後8時に誰もいない自宅に帰ってきた。
それから何もする気になれず、自分の部屋で天井ばかり見ていた。
こうやって寝転がっていれば、いつも咲良が怒りながら布団をはがしに来た。
来るわけがない。だって、あいつは――――。
俺は嫌な考えがよぎりそうになるのを立ち上がることで防ぐ。
時計を見ると10時になるところだ。驚いた。さっき見た時は8時だったのに。
とにかく何か食べよう。
体力をなくして倒れるとかシャレにならない。
祐介に心配かけるわけにはいかない。
俺はいやに静かな階段を降りていく。
暗いと落ち込みそうで、そこらの電気をつけて回った。