【完】螺旋のように想いを告げて


「祐介さ、咲良のこと好きなんだろ」

「は! いや! なに!? そんな、いきなり! そうだけど。でも、なに? え、ちょっと待って。心の準備する」




 しまった、間違えた。
 まだ好きだって聞く前だった。



 会話の順番忘れたし、ちょっとやりにくい。1人時間をさかのぼったせいで、何だかめちゃくちゃだ。


 祐介の慌てる姿はなかなか面白いけど。




「もしかして、好きなことバレバレだった?」




 俺は心の中で祐介に謝る。




「まあ、俺は知ってた」




 嘘をついたことも謝っておく。




「さすが幼なじみ。かなわないや」

「で?」

「好きだよ」




 控えめに祐介が言う。

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