黒猫系男子は今日も気まぐれ!?
カーテンの隙間から朝日が溢れ、スマホの画面を照らしていた。
午前6時に設定されたアラーム音が部屋中に鳴り響く。
重たい瞼を擦りながらアクビをする。
眠い…。寝ているはずなのにどうしてこんなに眠いんだ。
私が寝ている間に時間がありえない早さで進んでいるに違いない。
そんなアホなことを考えていると、
「おーい」
と、部屋のドアをノックする音と呼び声が聞こえた。
「はーい」
返事をしながらベットから上体を起こし、髪を手櫛で整える。
ガチャ、と音をたてドアが開いた。
ノックの正体はエプロン姿の弟、アオイだった。
「おはよう。」
「おはよう、姉ちゃん。今日の朝御飯は目玉焼きと焼き魚だからね」
「私は目玉焼きに塩をかけたいな。」
「分かってるって。」
じゃあ、後でね。と一言残し、アオイは階段を下りていった。
洗面台で顔を洗い化粧水をつける。乳液はめんどくさいから止めた。
今度、オールインワンのタイプでも買おうと思いながら歯を磨く。
顔も歯もスッキリした頃には、先程の眠気は吹き飛んでいた。
「美味しそう!!」
一階へ下りてリビングへ行くと既に料理はテーブルへ並べられていた。
「俺、ここにお皿を並べておくから、姉ちゃんは飲み物をコップに注いで」
「了解~」
アオイに言われた通りにコップを取りだし牛乳を注いでいく。
昨日、カウンターの隅っこに置いておいたオムライスが片付けられていて、お皿が綺麗に洗われていたのを見て、少しだけ嬉しく思った。
「いただきます。」
二人で声を揃えて食事をする。
「んー、今日もアオイが作るご飯は美味しいな。」
「俺は姉ちゃんが作るご飯を食べてみたいよ。」
「わ!このお味噌汁も美味しい!暖かい!」
「…出来立てなんだから当たり前だろ」
当たり障りない会話をして、ご飯が食べ終わる頃には、時計の針は6時25分を指していた。
「忘れ物はない?」
「俺はないはず。そっちは?」
「多分大丈夫。」
私は確認もせずに靴を履く。
アオイも確認はしていないようだ。
お互いに適当でルーズなところは誰に似たんだろうね。
行ってきます!
パタン、とドアを閉めて外へ一歩踏み出すと、少しだけ秋の肌寒さを、半袖から覗く腕で感じた。
君と、私が初めて言葉を交わす9月半ばの事だった。