Dance in the rain
中庭の真ん中に進み出た。
ロビーの窓は、ここからもよく見える。
踊り終わった時、あそこに一体何人の人がいてくれるだろう。
その中に、星羅はいるだろうか。
でも……そんなこと、もうどうでもよかった。
全然気にならなかった。
あんなに不安だったことが嘘みたいに、あたしの呼吸は穏やかだった。
傘を差した翔也と久美さんが、中庭の端からあたしを見ていた。
日本に帰ってきた時。
あたしは一人ぼっちだった。
誰もいなくて、これからどうしたらいいのか、怖くてたまらなかった。
でも今は違う。
あたしは、一人じゃない。
そのことが、こんなにもうれしい。
久美さんが、スマホを操作した。
スピーカーにつながれたそれが、音楽を奏でだす。
テーマは——「衝動」。