Dance in the rain

こぶしを振り上げて叫びながら。
ぜーはーぜーはー、肩で息をして。

それから。
「……ぷっ……」



どうしてだろう。

ぷぷぷ、って笑いがこみあげてきて。
「ふふ……あははははははっ……」
我慢できなくて、笑い出しちゃった。

「お前、やっぱり昨夜どこか打ったんじゃ……」

「ううん、平気平気。大丈夫。あはははははは……」

ゲラゲラ笑い続けるあたしに、翔也は呆れ顔。
「やっぱお前……変な女」

「うん。あたし、変かな。おかしいかな。おかしいかも。でも、なんか止まんなくて。あはははははっ……」

その夜、あたしは何か月かぶりに、お腹の底から笑った。



そう。こうして。
あたしの、新しい生活は始まった。
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