私と二人の物語
それが落ち着いた頃。

「前もこんな感じだった」

悟が、優しくそう言った。

「やっぱり?」

私も笑いすぎて乱れた呼吸を、少し整えながら言った。

「だって、真面目な顔でじっとしてるなんて、無理だもん」

「絵のモデルなんだから、少しは我慢してくれよ」

「は、はい」

私は深呼吸して、落ち着けさせると、真面目な顔をした。

でも…

「ぷっ!」

やっぱり吹き出してしまった。

それを見て、仕方ないな~とため息をつく悟だった。

そんな感じなので、絵の方の進みは遅かった。
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