溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~


歩道を歩き出す美鈴さんからいきなり爆弾発言が投下され、私は驚きを隠せず声を上げる。

美鈴さんは出身こそ私と同じだけれど、その美貌を武器にできるのはもちろん、大卒で博識で話もうまいから、あのお店で重宝される人材だった。指名率もナンバー2くらいまでのぼりつめていたし、それに見合ったお給料で家計を助けていたはずだけど……。


「もともと哲にはああいうお店に勤めること反対されてたんだよね。でも給料の良さには勝てないじゃない? 哲だって働いてるとはいえバイトだしさ。だからいつか辞めたいとは思いながら今まで続けてたんだけど、つい最近状況が変わったの」

「状況が……?」


どういうことだろう。哲さん、もっと稼げる仕事に転職したのかな。


「そ。まあそれはお店に着いてから話すよ」


目的地が決まっているらしい美鈴さんは、それだけ言って歩く速度を速めてしまう。

うう、この後ゆっくり話せるとは言え、予告だけされてすごい気になるんですけど……。


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