黄金のラドゥール

「ですが皇子、本当によろしいのですか?
聞き取りのためはよいとしても、ミムリの求めている面会は、ラドゥール様ですよ?」

神官長ミムリからの要求を持ち帰りはしたものの、ユンハは回答は保留にしていた。もちろんそれは騎士団長が決定できる案件ではないからだが。

「構わん。だが二人きりではなく、私たちも同席の上だ。」

「はい、かしこまりました。
ではそのように連絡いたします。

それと、コウジュン様。
これはお伝えするほどのことか悩むのですがーー、」

「ん?どうした、歯切れが悪いな。」
コウジュンは眉根を寄せた。

「神官リトのことです。

ギムリがお告げ書を取り上げたことよりも天からのラドゥールに夢中だったようでーー、いえ、今回話を聞いていても、ラドゥール様を正妃にお迎えされるのを楽しみにしております、などと、熱っぽく、ラドゥール様の話ばかりで、」

「それで?」
コウジュンはなぜかムッとするのを感じた。
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