黄金のラドゥール
「あなたが私に何か言ったんだけど、、、

それが、えー、、っと、、」

よく思い出せない。確か、聞いたこともない言葉だった。

青い瞳はそらされることなくまっすぐに私を見つめている。

それにしてもなんて綺麗な瞳なんだろう。

こんな状況でもそんなことが思えるなんて。まるでお城みたいな部屋に、まるで王子様みたいな人。これであの落ちていく部分さえなかったら素敵な夢だったのにーー、

「ラドゥール」

顔をあげる。

「お前は私のラドゥールだ。」

「その言葉は聞いた気がするわ、、
そう、夢の中で聞いた言葉だわ。
ラドゥール、、そう、意味はーー、、」


「私の花嫁だ。」
青い瞳が変わらず私を見つめている。

「ゆ、、」

口元に手をあてた。

「夢ではない。」
形のいい唇がゆっくりと否定した。

はっきりと響く声だった。



「今、なんて?」



「夢ではないと言った。
不可解な部分はあるが、おまえは私のラドゥールだ。」
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