黄金のラドゥール
愛しのラドゥール①
「ハル、」
コウジュンは咳払いした。
薄茶色の瞳がコウジュンを見上げる。
「少し話がーー」言いかけた声を軽やかなノックの音がかき消した。

「ーーーえ？今なんて言ったの？」



「少し、、」
ノックの音が続いている。

コウジュンはがっくりと首を落とし、腰に手を当てた。

「今日もなのか？」

「え？」

「そう、、ですね、昨日の今日ですので、少し頻繁です、、かね。」
ガインはそう言いつつ扉へ向かう。

「コウジュン？」
覗き込もうとすると、かきあげた漆黒の髪の間から青い瞳がハルを捉えた。
「ハル、話は後にしよう。
こちらへおいで。」
ハルを招いてソファへ座らせると、自分もその隣に腰を下ろした。

「お客様なんじゃないの？私、ここにいていいの？」
「客？」
コウジュンは大きく頭を振った。
「おまえもよく知る者だ。」
扉の向こうから予想通りの顔が覗いた。
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