黄金のラドゥール
「えーっと、、何がいいかな、、」


「私からお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「もちろん、どうぞ!」
なんだ、急に顔色が明るくなったな。

コウジュン様が戻られたのか?
いや、いらっしゃらない。

「どうぞ、答えられることなら何でも!」
私に向けて微笑んでいるのか?
私にそんな顔色を使っても無意味だぞ。


「ここへはどうやって来られたのですか。」
「ここって、、?」
「ラダ国です。あなたの、ハルという人物の
入国記録も出生記録もありませんでした。
何もない。どうやって来られたのですか。
あるいは連れてこられたのですか。」

「だからこの間言った通り、
突然落ちたと思ったらここにーーー」
「では突然どうやったら天から落ちて来られるんですか。術師が仲間にいるんですか。」

仁王立ちにここぞとばかりに攻め立てる。

「術師って?何?それ、、よくわからないけど、、」
また表情が変わった。

「そっか、、信じられないよね、、」
そんな陰った顔をしても私は騙されないぞ。


「まぁまぁ!お二人とも!
そんなところでどうされたのですか??
ハル様、暖かいお茶をお持ちしましたよ。
ささ、お部屋へお戻りくださいませ。」
アユールか。


扉が閉められてしまった。

逃したか。



必ずその正体を暴いてやるーーー、、、






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