黄金のラドゥール
「ええ、私の方でも方々当たっていますが、
それらしい話は全く聞こえてきませんね。」

「社交界で聞こえてくる話も無い、出入国の記録も無い。北方地域であんな名前の新興国も無かった。あんな珍しい衣装の民族もいない。それらしい失踪届けも皆無。
女ひとりなのに、足取りが全く掴めない。
あるいは拐われて来たかだが、」

「それにしては傷一つ無いきれいな肌だったよね。」
ガインの言う通りだった。

「正体がわからないままおそばに置いておくのは危険すぎる!」

「だけど今こうして、時間がかかり過ぎるのは困るんじゃない?一度、現時点での報告をコウジュン様へ。」

「、、仕方がない。」

ガインの提案にユンハも頷く他なかった。



***********

「そうか、ではハルの記録は一切無いというのだな。」
ユンハとガインの報告にコウジュンは頷いてみせた。
ここはコウジュンの執務室ーー

「表向き、体調を崩したとしているが、


これ以上の時間は稼げない。


ハルに支度をさせる。


国王陛下に謁見する。」

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