黄金のラドゥール
「結婚は成立してなかったということ?」

「いえ、承認を頂くのはただの形式です。
慣例での話になりますが、儀式が行われる時点で既に結婚は承認されているようなものです。

王族は代々、この儀式で婚姻を神より賜って来たという形をとっておりますので、
神より賜った婚姻を国王陛下が承認されないということは、これまでのところはありませんでした。」

「儀式と称していても、」
コウジュンが付け加えた。

「既に話のついている他国やそれなりの姫の名を神官が伝えていただけのこと。

実質、政略結婚と同じこと。

他が絡んでの取り決めを、形式ばかりの儀式の後でわざわざ否定したりはしない。」

「あの、、でも、、
私はどこかの国のお姫様じゃないから。」
おずおずと言い出すハル。

「今回は天からのラドゥールだ。」
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