嘘つきな恋人
それから。
裕人さんは一緒に住もう。

と言って、

勤務がバラバラだから、一緒に住むのは私が仕事を退職してからでもいいんじゃない?

と言った私を半ば強引に私を自分の部屋に引っ越しさせて

桜が咲く頃には一緒に暮らし始めた。

毎日一緒にいたいらしい。


やれやれ。

お互いの両親に挨拶に行くまえに、

ゴージャスなブランド物のダイヤの婚約指輪を贈ってくれ、

結婚式も10月にあげることに決めた。

私は忙しい裕人さんをサポートして、すれ違わない生活をする事に決め、その前の8月に私は1度、退職し、結婚の準備をすることにした。


裕人さんは、医師の家系らしく、おじいさんとお父さんとお兄さんが医師で
お母さんはおっとりした普通の専業主婦をしていて
お姉さんはOLの後、お兄さんの友人の医師に嫁いでいた。

3番目の末っ子の裕人さんの結婚はすぐに許され、特に反対されることもなかった。
結構個人主義のご家庭みたいだ。

私の父は商社勤めで、母は空港のグランドスタッフ(空港の地上勤務。)なので、
どちらも忙しく、都内のホテルで一緒に食事をしたんだけど、
裕人さんが医師で経済的に安定している職業だったため、
これも、特に反対されなかった。
私が仕事を一度辞める。と言うと、
母は残念そうに、続ければ良いのに…と少し言ったけど、
私が仕事より家庭を大事にしたいと言うと、特に何も言わなかった。

女性の生き方はそれぞれだ。ということだろう。

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