嘘つきな恋人
翌日、Dragonで傘を返すと、

「運命のオンナにあった?」とドラゴンは俺に笑いかける。

「会えたけど、連絡先は交換出来なかった。
美鈴ちゃんがここに来たら教えてくれない?」と言うと、

「三島さんって、美鈴狙いなの?」とカウンターの中にいた猫目の美人が少しだけ驚いた顔をする。

「この人、ここに座りながら、入ってくるオンナノコをずっと気にしてた。ナンパしにここに来てるのかなって最初は思ったけど、どのオンナノコにも顔色も変えずにおしゃべりして、行儀よく帰って行ってた。でも、この間、美鈴ちゃんの姿を見た途端嬉しそうな顔をしたからね。美鈴ちゃんに会えるのを待っていたんだなってわかったんだ。」とドラゴンは得意げだ。

「美鈴にはまだ、恋人がいるけど …」と猫目の美人が顔をしかめる。

「さっさと別れた方がいいじゃん。」とドラゴン。

「付き合うのはちゃんと別れられてからにするよ。そばにはいたいけど…」と俺がいうと、

「本気なら、協力する。」とドラゴンが手を出すので、俺はシッカリにぎりながら、

「俺は自分のオンナは1人で十分なオトコだよ。」
と微笑んで見せると、猫目の美人は疑いぶかそうな顔をして、ふんと鼻を鳴らす
まずはこの美人を攻略しなければと、

恋は障害があるほど、燃えるもんだ。と

俺はますますヤル気がでてきた。
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