嘘つきな恋人
涙が止まらない美鈴を俺の部屋に連れて帰り、

俺は鍵のかかっていた部屋を見せる事にする。

大した事じゃないのに、隠していたからこんな事になった。

正直に謝るだけだ。

俺が高校の教師じゃなくた麻酔医だと言って深く頭を下げると、

美鈴はポカンとした顔をした。

俺の秘密は美鈴が心配していた
女絡みの事じゃないってやっとわかったって事だろう。

美鈴はなんで?

と本当に不思議そうに聞くので、

俺は力が抜け、

自分が悪かったのに、

おかしくなって笑い出してしまった。



美鈴は

俺が美鈴を愛しているのが嘘じゃないってわかったようで、

ものすごく安心したようにため息をつき、

お互いに「嘘つき。」と固く抱き合い唇を重ねる。

美鈴は俺をしっかり抱きしめて俺の胸に顔を擦り付けた。


良かった。

いつもの美鈴だ。


俺はひどく安心したと途端、

美鈴が自分のモノだと確かめたくなって

抱き上げ、ベッドに運んでベッドに押し付けたまま、

プロポーズする。


美鈴は驚いた顔で俺を見上げたけど、

俺が本気だって知ると、

結婚すると言ってくれた。


ものすごく嬉しい。

これで俺たちは婚約者だ。

美鈴は俺だけのモノだし、

俺も美鈴だけのモノだ。


…もう、嘘つきな恋人はお終いだな。

と、俺は微笑み、美鈴の唇をゆっくり味わうことにした。



~Fin~
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