嘘つきな恋人
私はカウンターに座り直し、薄いジントニックを作ってもらった。

テーブルの上のおつまみには新しい美鈴スペシャルが置いてある。

もちろんというか

なぜか三島さんも隣で、
ウイスキーをロックで美味しそうに飲みながら、
魚介のマリネと美鈴スペシャルを食べている。

「そんなことになっているとは…俺もライブで見たかったな。」
とドラゴンが私に笑いかける。

「ちっとも笑えなかったけど…」とさくらさんは私の反対側の隣の席で溜息をつく。

2日前の夜みたいだ。
三島さんと私の間に空いた席はないけどね…

「でも、美鈴はこれでフリーだよね。」と三島さんは満足そうな声を出すと、

「三島さん。手が早すぎるでしょ。」ドラゴンがクスクス笑う。

「いや、この間のは数に入れないでしょ。
俺は楽しかったけど、美鈴にとっては違うんだろうから…
これから、よろしくね。」と私の顔を見る。

「…お断りします。」と私が機嫌の悪い顔で言うと、

「その機嫌の悪い顔も好きだな。」と言って、くすんと笑った。


「美鈴、厄介なオトコに好かれたみたいだね。」

とさくらさんが言って、ドラゴンと顔を見合わせ笑いあう。

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