嘘つきな恋人
8月。

江ノ島の花火の日。

Dragonはお休みになり、
江ノ島にあるドラゴンとさくらさんが住む
マンションのペントハウスと屋上で

『江ノ島の花火を見る会。』が開かれた。

由比ヶ浜の花火もあるけど、
ドラゴン所有のマンションのものすごく広いリビングと屋上から
江ノ島の花火がよく見えるのだ。

さくらさんがお嫁に行った翌年から開かれている
このパーティーは昼から屋上でバーベキューの後、
花火の後はリビングで深夜まで飲んだり、屋上で、線香花火大会が開かれる。

ドラゴンの趣味のサーフィン仲間や、仕事仲間。
さくらさんの友人達が招かれ、楽しく賑やかに過ごす会だ。

私も招かれてるけど、
今年はドラゴンに三島さんも招かれている。

なんだかんだと、三島さんはDragonのカウンターに座って、
ドラゴンと仲良くなっている様子だ。

いつも機嫌が良く、人を楽しませるおしゃべりが上手な
王子の様な外見の三島さんはカウンターに1人でいると、
女の子に声をかけられたりするらしいけど、
笑顔で話して、それで終わりってかんじみたいらしい。
『結構堅い。』とドラゴンは笑う。


「俺は自分で好きにならなきゃ、始まらないんだ。リンみたいに…」

と笑って、私の顔を覗くので、私は焦って顔を赤らめるけど、

どうも、信用できないのだ。

浮気された事があるオンナは疑い深いって事だろうか?

私はこっそりため息をつく。

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