どんとこい背後霊
ん?

待てよ…?

『ちょっと、ええと、あの、誰だっけ?』

私は何を血迷ったか、「あいつ」に話しかける、こころの中で…

『ねえ、ええと、あなた、いっとーちゃんだったっけ?いるんでしょ?私の後ろに!』

『我が名は…いっとうさい…』

「あいつ」が、答えた。冷静な声で。

私が遅刻寸前で、おまけに全身筋肉痛でふうふういっているのに、いい気なもんだ。

『ああ、そうそう、そのいっとーさいさん!ちょっと助けてよ!』

私は一旦立ち止まって、「そいつ」に懇願する

『…何用ぞ』

『何用って…見たらわかるでしょ?
私、遅刻寸前なのよ!
昨日の出来事、あんたにも責任あるんだから、何とかしてよ!』
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